春の夜の夢
世の中にはね。 受け入れるべき運命と、 あらがうべき試練があるの。
毎度記載している↑の文章はエウレ〇セブンの名言である。
そしてこれは僕がこのどちらかを選択した話。
某日、僕は人生で幾度目かの一目惚れをした。
整った顔立ち。それを引き立てるスラッとしたスタイル。
話した時間は短いけれど、十分な程に惹かれていた。
時間なんて関係なかった。
たまたま毎週末出張というミラクルもあり出会った翌週にデートの約束を。
彼女には何度も恋をした。
誰もがしっているように素敵な女性にはライバルも多い。
昼飲みデートの後の散歩で早速アプローチ。
「手を繋ぐのと腕を組むのどっちが好き?」「んーどうだろ」
「はい!」右手を腰にやった僕の腕の間に彼女の細い腕が通る。
帰り道には透き通る程の白い指を僕の手に重ねる。
「今日は楽しかった。ありがとう。来週の金曜日の夜空けておいて」
そして付き合うことになった。
見栄を張ったレストランと赤いバラ12本。
悩んでいた彼女であったが最後は首を縦に振ってくれた。
毎週のようには会えないが、家に行ったり家に来たり。
逢瀬の際には、素敵な彼女が乱れる姿に感動した。
ありのままの彼女はより一層美しかった。
しかし、幸せな時間は長く続かない。
ある日「電話をしたい」との連絡。
別れ話だな。 予感ではない。金保留キリン柄7テン状態だ。外す方が難しい。
引き留める理由はない。まだ結婚する気がない。
素敵な男に出会ったのだろうから。この運命を受け入れよう...
「最後に会おう。顔も見ずにお別れするのは性に合わないから」
最後の日。彼女はやはり魅力的だった。
あっという間の数か月間。君の記憶に、君の人生に何かを残せたか。
非モテコミット?そんなの知るか。
君は僕の中で生き続ける。その美しい姿のままで。
「ありがとう!またな!」「うん。またね!」
お互いが分かっていた。二度と会わないことを。さようなら。
君の世界が色鮮やかであることを祈っています。
・・・
「お姉さんちょっと聞いてよ!さっき振られちゃってさ。」
「そうなんですね。急いでいるので」...スタスタ
素敵な女性探しは、まったくもってあらがうべき試練の連続のようだ。
~完~